物流倉庫の自動化とは?成功させるコツや導入事例などを解説

ECサイトの需要の高まりを受け、物流倉庫を自動化している企業が増えています。しかし、どのように自動化をすれば効果的か分からず、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、物流倉庫を自動化する3つのシステムや成功させるコツそしてメリットなどを詳しく解説します。物流倉庫の自動化を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

 目次
   ・物流倉庫の自動化とは?
   ・物流倉庫の自動化が普及した背景
   ・物流倉庫の自動化に使われている3つのシステム
   ・物流倉庫を自動化するメリット
   ・物流倉庫を自動化するデメリット
   ・物流倉庫の自動化を成功させるコツ
   ・自動化によって倉庫や物流センターの課題を解決しよう!

■ 物流倉庫の自動化とは

物流倉庫の自動化とは、商品管理に関する一連の作業をロボットやコンピュータの力を借りて自動化することです。人件費の削減や作業効率の向上などの効果が期待され、いまや多くの企業が注目しています。

また近年、新型コロナウイルスの影響やEC需要の高まりによって日本でも物流倉庫の自動化が進んでいます

■ 物流倉庫の自動化が普及した背景

近年では、物流倉庫の自動化が普及しており、多くの企業で取り入れられています。物流倉庫の自動化が普及した主な背景は以下の通りです。

     ● EC需要の高まり
     ● 深刻な人手不足
     ● 労働環境に関する課題の顕在化

EC需要の高まり

感染症予防のために在宅時間が増えたことにより、実店舗ではなくECサイトを利用して買い物をする人が増えています。そのため、物流倉庫では数年前に比べて多くの商品を取り扱うようになりました。

そんな中で、より効率的に商品を保管・管理するために物流倉庫の自動化が広まっています。EC需要が高まったことも、物流倉庫の自動化が普及した背景のひとつとされています。

深刻な人手不足

国土交通省が令和2年7月に公表したデータによると、物流業界で働く人の数は年々減少しています。さらに前述したとおり、EC需要の高まりや新型コロナウイルスの影響によって物流倉庫で保管・管理する商品数が増加し、物流業界は深刻な人手不足に陥っているのです。

しかし、物流倉庫の自動化を進めれば従来のような人力ではなくロボットやコンピュータの力を借りて商品管理ができます。

参考
国土交通省:令和2年7月 「物流を取り巻く動向について」

労働環境に関する課題の顕在化

取り扱っている商品の数が増えているのにも関わらず、人手が不足している物流倉庫では、深夜労働や長時間労働などの問題が顕在化しています。また、送料無料や即日発送などのサービスを実施しているECサイトが増えていることも、物流倉庫の労働環境の要因のひとつです。

ロボットやコンピュータの力を借りて物流倉庫を自動化できれば、人力で行う業務量が減り、労働環境が改善されるでしょう。

■ 物流倉庫の自動化に使われている3つのシステム

一言で「物流倉庫の自動化」と言っても、使われているシステムの種類は企業によってさまざまです。具体的には、以下の3つのシステムがあります。

     ● 自動搬送システム
     ● 自動倉庫システム
     ● 倉庫管理システム

この項では、物流倉庫の自動化に使われている3つのシステムについて、特徴を詳しく解説していきます。

自動搬送システム

ロボットを使って自動搬送をするシステムを「自動搬送ロボット」と呼びます。自動搬送システムのなかには、以下の3つの種類があります。

 ●AMR 
 ●AGV 
 ●GTP 

AMR

AMR(Autonomous Mobile Robot)は、障害物を自動で回避できる点やガイドがなくても走行可能な点が特徴です。比較的短期間で導入することができるうえ、現場で働く人の負担を軽減できると期待されています。一方、重い荷物や大きい荷物を取り扱う場合、転倒してしまう危険性もあるため注意が必要です。

AGV

AGV(Automatic Guided Vehicle)は無人搬送ロボットのことを指します。倉庫内を一周させれば場所を認識できるため、ある地点からある地点まで自動で荷物を運べます。現場に導入する際の準備がAMRに比べて大変なうえ、コストが高い傾向にあるものの、上手に活用すれば配送商品の間違いなどのミスを減らせるでしょう。

GTP

GTP(Goods To Person)は棚搬送型ロボットとも呼ばれています。ピッキングや仕分けをするための「ワーキングエリア」を設定することで、商品をエリア内に運んでくれます。
GTPを活用すれば商品の搬送を自動化できるため、倉庫内で働く職員の負担を減らせます。一方、導入する際に倉庫内の配置を変更しなければいけないケースもあります。

自動倉庫システム

自動倉庫システムには以下の4種類があります。それぞれのシステムの違いを確認しておきましょう。

  ●移動棚型
  ●パレット型
  ●バスケット型
  ●フリーサイズ型

移動棚型

移動棚型は移動する台車のうえに棚を載せて、電動式で動く自動倉庫システムです。密集保管が可能となるため場所を取らずに商品を保管できるうえ、素早くピッキングできます。

パレット型

パレット型は製品をパレットごとに保管するのに最適な自動倉庫システムです。ちなみにパレットとは荷物を載せるための荷役台のことを指します。ビル式ラックにもすでに構築されている倉庫にも設置できるため、自由度の高い配置が可能です。

バスケット型

バスケット型は商品を入れた小型バスケットごとに管理をするシステムを指します。さまざまな形・大きさの荷物を管理できる点が特徴です。

フリーサイズ型

フリーサイズ型はさまざまなサイズの商品を管理できるシステムです。コンテナ・トレイ・段ボールなどを用いて保管することになります。

倉庫管理システム

倉庫管理システム(Warehouse Management System)は、倉庫内の物の流れを管理するシステムです。入荷実績や返品入荷をデータ化したり、商品の出庫状況を管理したりできるため、倉庫内の状況をリアルタイムで確認できます。一方、導入費用が高い傾向にあるため、導入を検討している人はコスト面に注意すると良いでしょう。

■ 物流倉庫を自動化するメリット

物流倉庫の自動化にどのようなメリットがあるのか、疑問に感じている人もいるのではないでしょうか。物流倉庫を自動化するメリットは以下の3つです。

  ● 人件費の削減
  ● 仕分け・搬送の生産性が向上する
  ● 労働環境の改善

人件費の削減

物流倉庫を自動化することによって、これまで従業員に支払っていた人件費を大幅に削減できます。すべての倉庫管理業務を人力で行うとなると膨大な人件費が発生し、売り上げに関係なく人件費を支払わなければなりません。
その点、物流倉庫を自動化にすることで、システムを導入するのに費用はかかるものの、一度導入すれば人件費が減るため、長期的に考えるとお得な場合が多いです。

仕分けや搬送の生産性を向上

システムを導入して物流倉庫を自動化することで、ロボットやコンピューターが機械的に仕分け・搬送をしてくれるため、高い生産性を維持することができます。また、生産性が向上する点も物流倉庫を自動化するメリットでしょう。

労働環境の改善

物流倉庫の自動化を推進することで従業員の業務量を減らして労働環境を改善できます。労働環境が悪化すると従業員の精神的・身体的負担が増すうえ、労働環境が悪くなる一方です。
しかし、労働環境が改善できれば、従業員がイキイキと働ける職場づくりにつながるでしょう。

■ 物流倉庫を自動化するデメリット

物流倉庫を自動化することで、さまざまなメリットを享受できることがわかりました。一方で、物流倉庫の自動化には、以下の2つのデメリットもあります。

  ● システムトラブルが発生する危険性がある
  ● 導入するのにコストがかかる

システムトラブルが発生する危険性がある

システムがトラブルを起こす可能性は0ではないため、ミスが一切起こらなくなるというわけではありません。システムトラブルが発生する危険性がある点は、物流倉庫を自動化するデメリットです。
システムにすべてを任せっきりにするのではなく、倉庫内の構造や仕組みを従業員が把握しておくことで、いざというときに冷静に対応できます。

導入するのにコストがかかる

物流倉庫の自動化により人件費を削減できますが、システムを導入するのにはコストがかかります。特に、高性能なシステムほど費用が高い傾向にあるため、機能面とコスト面のバランスのよいシステムを選ぶとよいでしょう。

■ 物流倉庫の自動化を成功させるコツ

物流倉庫の自動化を成功させるコツは、以下の2つです。

  ● 導入する目的や課題を明確にする
  ● 導入後の分析と検証を徹底する

導入する目的や課題を明確にする

企業によって、物流倉庫に関する課題や自動化する目的はさまざまでしょう。システム導入前に課題や目的を明確にしないと、「お金を掛けたわりにイマイチ効果を実感できない」といった事態が起こりかねません。逆に、導入する目的や課題を明確にすれば、自社に最適なシステムを選ぶことができます。
そのため、導入する目的や課題を明確にすることは、物流倉庫の自動化を成功させるコツの一つです。

導入後の分析と検証を徹底する

物流倉庫の自動化を成功させるためには、システムを導入し稼働させるだけでは不十分です。実際に稼働させてみて初めて発覚する問題点もあるでしょう。そのため、システムの導入によってどのような効果が得られているか分析し、必要に応じて改善していく必要があります。物流倉庫の自動化を成功させるコツには、導入後の分析と改善を徹底することも挙げられます。

■ 自動化によって倉庫や物流センターの課題を解決しよう!

物流業界では、労働環境の改善や生産性の向上のために、倉庫を自動化する企業が増えています。倉庫の自動化には導入費用がかかるものの、人的ミスが減ったり従業員の負担を軽減できたりといったメリットがあります。

そのため、多くの企業がシステムを導入し、物流倉庫の自動化に成功しています。ぜひ本記事でご紹介した内容を参考に、自動化によって倉庫や物流センターの課題を解決してみてください。

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